天神学園の問題児再来
激しい衝撃音に、紫陽花が顔を上げた。

真太郎に促され、非戦闘員である彼女は、1人避難していた。

…だが何だ、この胸騒ぎは。

嫌な予感がする。

そう思い、真太郎に咎められるのが分かっていながら、紫陽花は校庭へと向かい。

…目撃したのだ。

真太郎が喀血し、崩れ落ちる姿を。

「真太郎君んんんんんんんん!」

悲鳴を上げる紫陽花。

その声に気付き、即座に禿鷲が振り向く。

「まだ戦いの場に女がいたか」

次の獲物は決まった。

弾けるように、紫陽花に飛び掛かる禿鷲!

「紫陽花!」

シオンが後を追って地面を蹴る!

しかし、精霊憑依を行使しても追いつけないほどの禿鷲のスピード。

このままでは紫陽花に危害が加えられてしまう。

止むなく。

「禿鷲ぅぅぅぅうぅぅぅっ!」

シオンは手にしたランスロットを、禿鷲に投げつける!

無論これを読めぬ筈もなく、容易く回避する禿鷲。

途端に。

「待っていたぞシオン=グリフィノー!貴様が剣を手放すのをな!」

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