天神学園の問題児再来
そのシオンが意識を失っていた1ヶ月の間に、実に大きく周囲は動いていた。

まずは全精霊の女王を憑依させたグランド・ランスロットによる天神学園敷地の破壊具合。

橘家、夕城家、琴月家、早川家、丹下家、柾家といった天神学園のOB、そして遠くはミルトゥワ、インフィニティ・セクターからも多額の寄付金が申し込まれた。

その寄付金によって、天神御用達の五十嵐工務店が急ピッチで校舎を再建。

何度目かの校舎新築が実現したのである。

黒爪から禿鷲に関する一連の事件の解決に尽力したリプニーは、正式にエージェントとしての任務完了。

天神学園での教師としての潜入任務を終え、インフィニティ・セクターに呼び戻される。

今後彼女も、『番のエージェント』霸龍闘とリィのように、世界を股にかけるエージェントとして活躍する事になる。

…だがリプニーはこれを辞退。

それどころか、エージェントを辞め、インフィニティ・セクターを依願退職する決心をした。

呆気にとられる多くの仲間達を他所に、リプニーはさっさと荷物を纏めて、シオンの故郷ミルトゥワに移住。

現在は精霊術の稽古に勤しんでいるが、成果はイマイチの模様。

目指すは『勇者の右腕的魔銃使い』だ。

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