天神学園の問題児再来
「まぁ積もる話はこのくらいにして」

鬼龍が澱みない仕草で立ち上がる。

「鳳仙花、夕食でも食べて行くといいアル。今夜は腕によりをかけて、私が麻婆豆腐を御馳走するアル」

そう言って意気揚々と台所へと向かう鬼龍。

その美しき妻の姿勢良い背中を見送りながら。

「……」

瑠璃の震え上がるような邪眼が、光を失った。

一種脅えの色すら窺える。

「鳳仙花」

「はい」

瑠璃の声に、鳳仙花は返事する。

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