天神学園の問題児再来
通学路を歩きながら、ヴラドの自問は続く。

暗がりを歩き続ける闇の住人である吸血鬼。

それが天神学園で教師などしている事自体が、そもそもおかしな話なのだ。

龍娘の店に立ち寄って、意気投合して、教師としての勧誘を受けて。

あの女傑にいいように言いくるめられたか。

…しかし奴との語らいや飲み比べ、腕比べは、確かに愉快な一時だった。

吸血鬼の自分が、人間との時間を愉快と感じたのだ。

人間など血を吸う対象、いわば餌でしかないというのに。

龍娘に感じたのも、親愛ではなかったか。

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