天神学園の問題児再来
口喧しい天神学園の連中の中において、花龍だけは、ヴラドは評価している。

理知的で聡明、無駄に騒がず、同じく銃に知識を持ち、何よりヴラド好みの血を持っていそうだ。

きっとこの娘の血は、美味いに違いない。

そんなよからぬ妄想を巡らせるヴラドを牽制するように。

「そら、食え」

龍娘が直々に注文のニンニクラーメンを運んできた。

「荒いな龍娘。スープが飛び散ったぞ」

「分かっていると思うが」

龍娘がギロリとヴラドを睨む。

「啜るのはスープだけにしておけよ」

身内から吸血鬼の犠牲者など出したら只ではおかんぞ、という警告か。

肝心の花龍は何の事やらわからず、こてん、と首を傾げるばかりだが。

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