天神学園の問題児再来
フン、と鼻を鳴らし、ヴラドは箸立てから割り箸を取ってラーメンを啜り始める。

美味い。

相変わらずここのニンニクラーメンは絶品だ。

ニンニクの刺激が程良く効いて、麺の固さも絶妙に仕上げられている。

スープは豚骨ベースか。

おのれ、人間の癖に吸血鬼にニンニクを克服させるほどの味付けに仕上げるとは。

龍娘恐るべし。

と。

「ニンニク、お好きなんですか?」

盆を胸に抱えたまま、花龍が言う。

「ああ。口惜しいが貴様の祖母は中華に関しては天才だ」

チャーシューを丼の縁でトントンと汁気を落としつつ、口の中に放り込む。

鮫の歯のような牙が生え揃った口の中で咀嚼。

これまた美味。

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