天神学園の問題児再来
とはいえ。

(ユグドラシェルか…)

ヴラドも異世界の知識は明るくないが、花龍達の祖父母の代の勇者、フェイレイやリディルがこの天神地区に現れた頃から、その名は聞かぬでもない。

異世界では相当に高貴な血筋とか。

花龍の血は美味であろうと考えたヴラドの見立ては、やはり間違いではなかったのだ。

混じりけの少ない高貴な血は純粋であり、やはり一線を画する。

ヴラドにしてみれば、喉から手が出るほど欲するもの。

しかし。

「……」

ヴラドは無言のまま、接客の手伝いをする花龍の姿を見ていた。

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