天神学園の問題児再来
花龍に呼び止められたヴラド。

彼女を一瞥する程度の、いたってニュートラルな表情を浮かべている。

策に嵌まった獲物を見る目でも、興味を失った獲物に対する目でもない。

逆にこの表情が、花龍に躊躇させた。

これはどうやって話を切り出せばいいものか。

先日の件の返答を催促しては、まるでこちらが期待しているように思われるのではないか。

なまじ頭脳明晰なだけに、余計な事を考えてしまう。

と。

「貴様は」

意外にもヴラドの方から、件の話について触れてきた。

「貴様はユグドラシェルという一族の者なのだろう?」

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