天神学園の問題児再来
「逆に質問いいですか?」

花龍はヴラドに問い掛ける。

「ヴラド先生は吸血鬼になる前は…ワラキア公国の君主だったと聞きました。王様だったんですよね。そんな地位を捨ててまで、何故吸血鬼に?」

「人間でいる事にウンザリしたからだ」

ヴラドは即答だった。

「地位があろうと名誉があろうと、明けても暮れても争い合い、殺し合い…そんな人間でいる事に嫌気が差したのさ」

「だったら」

花龍は、窓から吹き込んでくる風に髪をそよがせる。

「必ずしも、裕福な暮らしが幸せだとは限らないという事ですね」

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