天神学園の問題児再来
そうすれば、ユグドラシェルとして生きた時のような裕福な暮らしを失う事なく、吸血鬼の花嫁と後ろ指差される事もなく、ヴラドのものになる、とでも言いたいのか。

はっきり言って詭弁だ。

花龍が、吸血鬼であるヴラドに嫁ぐという事実は何も変わっていない。

しかし、花龍が『ユグドラシェルとして一国の王に嫁ぐ』という解釈もできる。

策略というよりは、稚拙な悪巧みのようだ。

地位や裕福な暮らしを奪わない為に、自身が王様になればいいという考え方は、如何にも『丹下的』。

スペシャルバカが思い付きそうな思考だ。

(でもね、ヴラド先生…)

花龍は、この幼い子供のような発想のヴラドに、思わず微笑んだ。

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