天神学園の問題児再来
そんな中。

「真太郎君真太郎君!」

紫陽花が今日も、捨てられた子犬よろしく真太郎に擦り寄っていた。

あれだけ真太郎に辛辣に接してこられるというのに、紫陽花の空気の読めなさときたらどうだ。

はじめの、あの可憐にモジモジと話しかけてきた姿は何処へ行った。

と思っていたら。

「真太郎君、いつも昼休みにご飯食べていないみたいだったから…」

紫陽花は両手で、可愛らしい巾着袋を差し出す。

「お弁当作ってみたの、よかったら食べてくれる…?」

そう言って上目遣いで見る紫陽花は、あの可憐な姿だった。

「……」

川蝉と狂奏丸を肩に担いだまま、紫陽花を見下ろす真太郎。

確かに昼食は持ってきていない。

施しを受けるのは癪だが、食えと言うなら食ってやろう。

そこまで考えて紫陽花の顔を見下ろし。

「……」

更に下、視線は下がる。

母には劣る、祖母にも劣ると聞く、琴月の奥方にも劣る。

しかし、小振りながらもなかなかの谷間。

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