天神学園の問題児再来
「凄かったもんね、あのタイマントーナメント」

龍乃が呟く。

龍乃一味が在学中にも、天神学園最大の祭典『タイマントーナメント』は開催された。

天神学園に在籍する全関係者の中から、最強を決める大格闘大会。

当時最強と目されていた臥龍(がりゅう)が不参加を決め込む中、生徒会勢が大半出場という異例の大会。

準決勝で夕城流剣術指南役の夕城 武がノエルを、刹那が琥珀を破り(これが刹那の琴月次期宗主抜擢の切っ掛けとなった)、決勝で武と刹那が激突。

半日に及ぶ激闘で、武の愛刀『韋駄天』が折れた為、大会特別ルールが適用され、途中から武の父の愛刀『菩薩』に刀を持ち替える中、刹那の日蝕月蝕と激しく打ち合うも、遂に勝負はつかず、史上二度目の同時優勝となった。

刹那の顔の傷は、その決勝で受けたものだ。

眼球にまでは至っていないものの、試合中は完全に片目が見えなくなった。

「それが勝てなかった理由ではないがな。両目が見えていても、奴の音速とも呼べる剣は見切れなかった…それだけは認めてやらんでもない…だというのに…」

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