天神学園の問題児再来
確かに。

刹那も武も琥珀もノエルも、好敵手や親友の存在があったればこそ、現在の自分があると考えている。

叱咤され、激励され、ここまで成長できたのだ。

たかが分家の小倅と卑下していた己が、琴月次期宗主に抜擢されたのも、あの『黄金の日々』があったからこそ。

その『黄金の日々』が、真太郎にとっては今なのだと。

刹那は信じてやまない。

「ところで」

昔から刹那の体内時計はなかなか正確だ。

「現在午前8時24分といった所か…ホームルームが始まる頃だろうな。なのに一介の教師が、こんな所で隣人と立ち話…先輩教諭のヴラド殿が、自慢の牙を研ぎ澄ませて待ちくたびれているだろうな」

「え?…あ゛~っ!酷いよ刹那っち!」

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