天神学園の問題児再来
柄を握り、しばし動きを止める。

頬に汗が伝った。

抜刀するだけで覚悟がいる。

夕城の跡取りとなる筈だった剣客が、こんな緊張を強いられる刀は、そうはない。

鍔元一寸ばかり引き抜く。

夕陽を浴び、輝きを宿す刃。

その光に、真太郎は目を細めた。

笑みではない。

目が眩む。

まるで川蝉が、真太郎の視界を遮っているかのようだ。

声なき刀が、自己主張する。

『拒絶』という名の自己主張。

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