天神学園の問題児再来
生意気な。

主はこの俺だ。

主に真っ向から逆らうとは、銘刀あるまじき。

川蝉の拒絶を無視しながら、ゆっくりと鞘から引き抜く真太郎。

抜刀するまでの抵抗が凄まじい。

鞘の中で錆び付いて、その錆が抜刀を妨げているのではないか。

そう思うほどの抵抗だった。

実際には、刃紋も鮮やかな美しい刀身が姿を見せるのだが、それとは裏腹に滑らかでない抜刀。

こんなに抵抗があっては、満足に鞘走りも出来ずに居合にも使えない。

刃毀れし、血脂で傷み、使い物にならなくなった刀のような。

抜く前からそんな印象を抱く。

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