天神学園の問題児再来
袈裟懸けに、大きく切り裂かれた優男の胸。

白いシャツが鮮血に染まるが。

「あーあ…やってくれたね…クリーニング代も馬鹿にならないのに」

少し力を込めるだけで、ランスロットによる裂傷はいとも簡単に止血された。

流血だけではない。

傷口そのものが塞がってしまった様子だ。

「何アイツッ?人外っ?」

紫陽花が声を上げる。

「シオンと決闘した時のヴラド先生の再生に似てる…もしかして…」

花龍が呟く中。

「自报姓名迟到了(名乗るのが遅れた)」

優男は恭しく頭を下げた。

「俺は黒爪という。何年も前にこの天神地区を縄張りにしていたのだが、ある連中に追い出された挙句、インフィニティ・セクターに目を付けられてしまってね、しばしの逃亡と潜伏を余儀なくされていたのだよ…恐らくはそう…」

黒爪はシオンとシャンリーを見る。

「君らの父親…リィシン=グリフィノーら瑠璃一味によってね」

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