天神学園の問題児再来
とか言いつつも、結局4人揃って彼らは龍虎軒に向かう。

天神地区の中華街一等地に店を構える、中華と甘味処の老舗、龍虎軒。

嘗て天神学園で教師を務めていた早川 虎次郎(はやかわ こじろう)と早川 龍娘(はやかわ ロンニャン)夫婦が営んでいる。

ちなみにこの夫婦は、花龍の祖父母でもある。

放課後になると、花龍は龍虎軒の看板娘として店を手伝いに来る為、自然とここは龍馬達の溜まり場になった。

「おー龍馬。今日も派手にやられたな」

厨房。

龍娘が龍馬に声をかける。

花龍の祖母という事は結構な歳の筈なのだが、下手をすると花龍の母親にも見えるってどういう事なの。

「あれだよ、戦士としての活躍期間が長いから、老化も遅いんだよ」

「って事は龍娘さんもサイ(以下略)」

紫陽花とシオンがヒソヒソ話す。

「ヴラド程度にまだ勝てんとは、丹下の血が泣くぞ」

中華鍋を華麗に振るいながら、龍娘は言った。

「龍馬、貴様は格闘スタイルが中途半端なのだ。空手の癖に手刀を多用し、拳脚を有効活用しようとせん。まるで武道家というより剣客だ」

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