天神学園の問題児再来

傷心

「全く、何て様だ」

二挺拳銃をインバネスコートの内にしまいながら、ヴラドは龍馬達を見る。

「揃いも揃って…誰も俺を呼ばんとはな」

「え…」

花龍が顔を上げる。

『揃いも揃って、誰も黒爪に敵わないとは』

その事を咎められているのだと思ったのだが。

「己惚れるな」

ヴラドは吐き捨てる。

「貴様ら如きが吸血鬼に勝てるなどと、端から思ってはいない」

「っ…」

その言葉に、その場の誰もが俯いた。

現武闘派教師陣のヴラドから見れば、龍馬達は全員『弱者』でしかないのだ。

人外に太刀打ちできない、『弱き人間』でしかない。

「ヴラド先生、そんな言い方…」

リプニーが窘めるように言うが。

「貴様もだ、エージェント。一端の教師気取りか?」

ヴラドはリプニーをもギロリと睨んだ。

「ご立派な物を持っていても、その青二才どもを守れないのならば無用の長物でしかない」

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