天神学園の問題児再来
それ以上は何も語らず。

ヴラドはさっさと踵を返す。

「昼間起きていると吸血鬼には辛い。早く眠りたかったというのに…」

ブツブツと言いながら夜道を歩く彼に、花龍と麗龍がついて行く。

「…何だ早川。夜道だからとて送ってはやらんぞ」

振り向きもせずに言うヴラド。

「…もう私には、眷属候補として興味を失くしましたか?」

彼の背中に向け、花龍は言う。

「眷属となるには、強さを維持していなくてはならないと仰っていましたよね…弱い私には、もう興味はないですか?」

「ぬかせ、小娘」

肩越しに、ヴラドは花龍を見た。

麗龍などは震え上がりそうな視線だったが、花龍はよく真っ向から向き合っている。

「貴様の強さは、元々俺の眼鏡に叶う水準ではない。今回の結果に落胆するほど、俺は貴様の強さを評価していない。長い目で貴様を眷属として育てるつもりだったからな」

「……」

『精進しろ』

ヴラドの言葉が、花龍にはそう聞こえた。

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