天神学園の問題児再来
放課後。

脇目もふらずに龍馬は下校してしまう。

「何だよ、付き合い悪いな龍馬は」

唇を尖らせるシオン。

そんな顔して、さり気なく紫陽花の尻ムニムニするのはやめなさい。

「黒爪に遭った日から、龍馬ずっとああだよぉ」

紫陽花がシオンに告げる。

「…相当堪えたんだね、あの敗戦が」

花龍が呟く。

それは、ここにいる全員がそうだろう。

あの敗北が身に染みていない者など1人もいない。

呑気に紫陽花に破廉恥行為をしているシオンでさえそうだ。

だが、龍馬は人一倍危機感を覚えていた。

自分の弱さに。

自分の無力さに。

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