天神学園の問題児再来
下校後、龍馬は真っ直ぐに柾家へ。

「邪魔するきに!」

玄関先で掃き掃除をしていた秋桜に一言告げて庭の方に回り、すぐに陸奥守を抜刀。

「いぇぁあぁあぁあぁああぁあっ!」

立ててある巻藁に打ち込みを始める。

柾一刀流奥義・蜻蛉の構え。

本人はいまだ奥義である事を知らないものの、ひたすらに愚直に、巻藁に打ち込み続ける事をやめない。

これしか知らないのだ。

これしかできないのだ。

これを続けるしかない。

新しい技を教わりたいという気持ちもある。

もっと強い技を習いたいという気持ちもある。

だが、1つの技すら半端にしかできない自分が、新しい技を覚えた所で何になるのか。

半端な技が増えるに過ぎないではないか。

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