天神学園の問題児再来
「私がスパイって言うなら、そうじゃない証拠教えてあげようか?」

紫陽花は、クルリと真太郎の正面に回り込んだ。

「柾一刀流には、夕城流の斬鉄に対抗する技があるんだよ?」

「何?」

思わず真太郎の動きが止まった。

まだ習得に至っていない斬鉄。

それに抗する技があるというのか。

「龍馬の奴は、それを?」

「まだ覚えてないけど、これから修行予定だよ」

柾にとっては重要であろう技の漏洩を、笑顔で伝える紫陽花。

この女、阿呆か。

「秘密とか門外不出とかって、苦手なんだよねぇ。お父さんも喋っちゃ駄目とか、そんなにきつく言ってなかったし」

「ならば」

真太郎は真剣な眼差しで紫陽花を見る。

「俺がここで、その対斬鉄用の技について詳しい説明を求めたらどうする…?」

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