天神学園の問題児再来
「いいよ?教えてあげる。対斬鉄用の技は、元々は柳生新陰流の技で、柾一刀流では秘伝に位置する技でね、相手の斬撃を真正面から「おいおいおいおいおい!」

躊躇せずペラペラ喋り始める紫陽花を、真太郎は慌てて止めた。

「……何?」

「貴様は本当に阿呆か」

呆れて二の句が継げない真太郎。

まさか本当に喋り始めるとは思わなかった。

「これでは龍馬に申し訳ない…」

「申し訳ない?」

ほぇ?と不思議そうな顔をする紫陽花。

「…如何に相手が半人前とはいえ、事前に相手の技を盗み聞いて対処するなど、武人のやる事ではない。お互いに何の言い訳もない所で、雌雄を決したい」

真太郎は真っ直ぐに紫陽花を見た。

「だが、その柾の秘伝とやらを、ほんの触りだけでも知ってしまった…だから貴様の口から、『真太郎は斬鉄を修行中だ』と、龍馬にも伝えてやれ…せめてもの詫びだ」


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