天神学園の問題児再来
…夜半を過ぎ、豪雨は強い風を伴って降り続けていた。

昼間の狂乱のようなはしゃぎっぷり、そして修行で疲れ切って眠りこけていた面々だが。

「……」

花龍は窓を叩く雨の音で、ふと目を覚ます。

酷い土砂降りだ。

南国特有のスコールとは、こういうものか。

少し怖くなるような強い雨足に、しばしの間見入っていた彼女は。

「……!」

水上ヴィラの窓から見える桟橋、その中程に、人が立っているのを見つけた。

共に来ている仲間達の誰かではない。

背の高い男性だ。

橘リゾートのスタッフだろうか。

雨による被害がないか、見回りでもしているのか?

いや、そういう感じではない。

桟橋に、じっと立ち尽くしている。

それに、あの出で立ち…。

(あれは…)

その見知った人影に、花龍は思わずベッドから降りる。

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