天神学園の問題児再来
「ほぅ」

黒爪の見ている前で、花龍はマテバとアルトゥルスを抜き、銃口を向けた。

「怒ったのだね?」

「黙って下さい」

「図星か。意中の彼を罵られては、まぁ怒りもするだろう」

「喋らないで下さい!」

「大声を出すのはよくないね。寝ている仲間を起こしてしまう」

苛立たせる黒爪の物言いは変わらない。

「気持ちは分かるが、事実なのだよ、早川 花龍。あの男…ヴラド・ツェペリは、俺よりも長命な吸血鬼…真祖だ。6世紀もの長い…人間にとっては永劫とも思える時間を生き続けた。並行世界に存在する呪眼の魔女と同等の時間をね。そしてその間に、幾度となく戦争を引き起こし」

ニタリ。

また黒爪が笑う。

「幾千、幾万もの人間を串刺しにして殺してきた。彼が人間の折に『串刺し公』と呼ばれた所以だ」

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