天神学園の問題児再来
「っっっ…」

二挺拳銃を構えたまま、花龍は硬直する。

知っていた。

そんな事は知っていた。

嘗てワラキア国の王として、周辺諸国と戦争をしていたのだ。

ヴラドの過去は、歴史の授業で聞いている。

その戦争の中で、数多くの人間を葬った事も…。

「だが耐えられまい。知識として知っている程度では。彼はまごう事なき人殺しだよ?綺麗綺麗に教え育てられている天神学園の生徒たる君には、あんな汚らしい男は、目を背けたくなるほどの汚物の筈だ」

「そ、そんな事っ…」

「やめたまえよ、あのような男」

混乱と迷いを煽り立て、黒爪は花龍を唆す。

「君の忌み嫌う、俺と同じ穴の狢なのだよ、奴は」

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