天神学園の問題児再来
十八番の丸め込むような話術と挑発を逆手に取られた。

寧ろ挑発に乗ってしまったのは黒爪だった。

獣の如き敏捷性で一気に間合いを詰め。

「俺を未熟者呼ばわりするのは止してもらおうか!」

屋根の上のヴラドへと肉薄する!

次々と繰り出される、研ぎ澄まされた鎌のような蟷螂手。

ヴラドはこれを、二挺拳銃の頑強な銃身で受け止め、捌く。

「未熟者さ。6世紀もの時を生き続けた俺からすれば、貴様など吸血鬼どころか、暗い洞窟で夜になるのを怯えながら逆さ吊りで待っている蝙蝠に過ぎん」

ニヤリと笑うヴラド。

「鳥にも獣にも仲間扱いしてもらえない、どっちつかずの憐れで惨めな蝙蝠野郎だ」

「口を慎みたまえと言った筈だ、ヴラド・ツェペリ!」

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