天神学園の問題児再来
寧ろ、後ろ指差される事を恐れる吸血鬼とは何だと。

ヴラドは黒爪を嘲笑った。

「貴様は忌み嫌われるのが怖いのか?黒爪。そうだというのならば…」

またも黒爪を見下ろすヴラド。

「何とも軟弱の極みだな」

「くっ…!」

花龍を惑わし、迷わせるつもりが、逆に己の卑怯ぶりを際立たせるだけの結果となってしまった。

前回の戦闘に続き、再び屈辱を刻み込まれ。

「くそ!」

強引に踏みつけられた手を引き抜いて、黒爪はその場から逃走を図った。

「…フン」

逃げ去る黒爪を追いもせず、鼻を鳴らすヴラド。

用は終わったとばかりに踵を返そうとして。

「先生」

屋根の下から花龍の声がした。

「服を乾かしていった方がいいですよ。風邪を引きます」

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