天神学園の問題児再来
気が付くと、別世界でした。

地下から上がった先の豪華絢爛な城。

大きな湖、中央にある島に建てられている皇家の者達が住まう宮殿。

緩やかな丘陵が広がる長閑な風景、あちこちに森が見えるし、小さな川も見える。

シオン達はそんな風景の中を当たり前のように歩き、準備された馬車へと乗り込もうとしている。

栗色の髪をきっちりと結い上げた、ラベンダー色の瞳の女性が、直々に彼らを出迎えていた所で。

「…そこに潜んでいるのは誰ですっ?」

女性は紫陽花の気配を敏感に察知し、身構える。

「あやっ!」

見つかった!

この柾流柔術の使い手である紫陽花ちゃんを見つけるとは、なかなかの手練れ!

そう思ってヒョッコリ顔を覗かせた紫陽花を見て。

「ノ、ノギク妃殿下…っ?」

余りによく似た面影を持つ紫陽花に、女性…マリオン=ガルシアは息を飲んだ。

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