天神学園の問題児再来
そんな真太郎が修行を続けている小島とは対岸の、橘リゾート近くの海岸。

ここの岩場にも、石英が多く含まれている。

ゴツゴツとした足場で、海水浴や水遊びには適さない。

そんな場所に龍馬はいた。

先程から何度も何度も聞こえる、啄木鳥が嘴で木を穿つような音は、彼が発しているものだった。

両手で陸奥守を握り締め、限界ギリギリまで引き付けてから。

「きぇえぇえぇえいっ!」

岩目掛けて切っ先を放つ!

僅か一寸ではあるが、陸奥守は刺突を岩場に穿った。

真太郎同様、龍馬もこの岩場に無数の穴を穿っている。

彼が橘リゾートに来る前に、師匠の鳳仙花が与えた修練の1つ。

それがこの刺突の反復練習だった。

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