天神学園の問題児再来
「気が早いとは思わんか」

同じく肩越しに、真太郎は龍馬を見る。

「お互いにまだ未完成の極意を抱えた未熟者の身…披露するには些か早い」

先の黒爪との戦いでの敗北で、真太郎は己を未熟者と認める度量を身に付けていた。

己を未熟と認める事から、強くなる事は始まる。

無論、龍馬もそれは同様。

「わしも極意の習得はまだじゃ。じゃが現時点でのお互いの強さを確認するのが、何が悪いがじゃ?」

「……」

真太郎は。

「ちぇぇえぇえぇぇえいっ!」

振り向き様に狂奏丸を抜刀する!

その横薙ぎを、咄嗟の抜刀で受け太刀する龍馬。

「ほう、この程度の不意打ちならば反応できるようになったか」

真太郎は薄く笑う。

「あまり挑発するな。我慢できなくなる…」

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