天神学園の問題児再来
「だ、大丈夫かな…陸奥守、直るかな…」

花龍が言うが。

「ううん、無理だよ…一度折れた刀は、もう使い物にはならない…繋ぎ合わせるような事は出来ないんだよ…」

紫陽花が表情を曇らせる。

つまり、もう龍馬の陸奥守は刀としては使えないという事。

彼は侍の魂である、愛刀を失くしてしまったのだ。

「そ、そんな…」

言葉もないリプニー。

あの夕城流の刀鍛冶、夕城 龍之介の鍛えた逸品。

夕城流に伝わる四季・色彩銘刀には遥かに劣るが、それでも業物に挙げられるに足る銘刀だった。

その陸奥守が、龍馬の手から失われた…。

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