天神学園の問題児再来
まるで魂の抜け殻のように、龍馬はユラリと立ち上がり、折れた陸奥守の切っ先を引き抜く。

それを手に、フラフラと桟橋を歩く。

「お、おい龍馬…」

シオンが声をかけようとするが。

「シオン」

花龍が彼の肩を叩いた。

想像してみれば分かる。

シオンがもし、ランスロットを破壊されて失ったとしたら。

自身の半身とも言える愛刀を使い物にならなくされた喪失感は、半端なものではない。

ましてや侍にとっては、刀は魂なのだ。

これを失うという事がどういう事か…。

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