天神学園の問題児再来
同刻。

龍馬と真太郎が対決した桟橋のあの場所に、1人の男が立っていた。

長身だ。

ヴラドと同じくらいの背の高さ。

学帽、長ラン(学ランと呼ばれるボタン式の制服のうち、丈が膝の下から脛の辺りまである特殊形状のもの)という一昔前の番長のようなスタイル。

ハンドポケットのまま、彼は視線を下げる。

桟橋には、刀傷が残っていた。

折れた陸奥守の切っ先が刺さっていた痕。

それを凝視し、男は無言のまま考える。

果たしてどんな思考を巡らせているのか。

その表情から、窺い知る事は出来なかったが。

< 449 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop