天神学園の問題児再来
ここ毎日、同じ岩場で海ばかりを見ていた。

岩場には、無数の刺突痕。

龍馬がこの夏休みに刻み込んだ、刺突の痕だ。

「…お前らにも悪い事したがじゃ…痛かったろうのぅ…」

岩肌を撫でる龍馬。

硬い感触が伝わってくる。

こんな硬い岩に、切っ先を突き立て続けていたのだ。

思えば、陸奥守にも痛い思いをさせていたかもしれない。

相当無理をさせていたのだろう。

…だから折れたのだ。

いわば、自分の責任。

ここ数日の間に、龍馬はそんな考えに至っていた。

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