天神学園の問題児再来
結果として、陸奥守は折れたのだ。

そこに責任や罪などはなく、起きてしまった事。

しかし龍馬は、陸奥守に愛着を持っていた。

持ち過ぎていたのかもしれない。

右も左も分からぬままに柾一刀流を稽古し始め、その時からずっと腰に帯びていた相棒。

今はもう、龍馬の傍らにはいない。

「気にするな」

真太郎は立ち上がる。

「愛刀を労う気持ちが悪い訳ではない。だが、貴様の責任ではない。折ったのは俺だ。どうしても責任を問いたくば、俺を責めろ。それで気が晴れるのならばな」

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