天神学園の問題児再来
次々に花火を打ち上げるものだから。

「えー、もうこんだけ~?」

残された線香花火のみを見つめ、シャンリーが頬を膨らませる。

「こんなちっちぇのつまんねぇよ」

麗龍も不満げ。

「あら、線香花火も風情があっていいものよ」

麗龍の小さな手に握らせ、火を点けてやる花龍。

他の仲間達にも1本ずつ手渡し、小さな火が灯り始める。

頼りなく、儚く、しかし美しく燃え続ける線香花火。

打ち上げ花火のような派手さはないが、これはこれで素直に美しいと思える。

そしてシオンの手から、龍鷺郎の手から、紫陽花の手から次々と小さな火球が落ちていき、最後に龍馬の手から線香花火の火球が落ちる頃。

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