天神学園の問題児再来
と。

「じゃあこれは要らないな」

何処に行っていたのか、龍鷺郎が歩いて戻ってきていた。

手には、龍馬の陸奥守。

折れて以来、一度も抜刀していない愛刀だった。

「折れちまったし、剣術はやめるし、もうお前には無用の長物だな」

「……」

「どうする。捨てるか?」

「……」

「いっその事、海にでも放るか」

鞘に納められたままの陸奥守を振りかぶる龍鷺郎。

そんな彼に。

「!!!!!!」

龍馬は飛び掛かり、組み付き、一本背負いの体勢から片膝を砂について、そこを支点にして、引き落とすように投げる!

背負い投げの変形技、背負い落としだ。

龍鷺郎ほどの大柄な男が、鮮やかに砂浜に叩き付けられる。

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