天神学園の問題児再来
ハァハァと息を荒げる龍馬。

龍鷺郎は砂浜に大の字のままで。

「随分と必死だな、折れた刀の為に」

冷めた口調で言う。

「まだ燻るもんがあるんじゃねぇのか。剣術とこの刀に」

ヒョイと片手で陸奥守を持ち上げる龍鷺郎。

その拍子に、鞘に納められた陸奥守が抜けて。

「ん?」

「あれ?」

不自然な事に気付いた者達が、声を上げた。

折れた陸奥守。

その半分…切っ先から中程のかけての刀身が、鞘の中には無かった。

龍馬が、共に鞘に納めていた筈の刀身が。

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