天神学園の問題児再来
そんな中。

「ごめん」

言ったのは紫陽花だった。

「ごめん龍馬…陸奥守の折れた刀身は、もうないよ」

「……」

消え入るような声で言った紫陽花に。

「ないとはどういう事じゃっ!」

龍馬は摑みかかる!

肩を摑み、激しく揺さぶる。

「答えんか紫陽花!ないって何じゃ!お前わしの陸奥守をどこにやったがじゃ!捨てたんか!捨ててしもうたんかっ?どがいなんじゃっ!」

「止せよ龍馬!」

シオンが制する。

「す、捨ててなんかないよっ!」

龍馬の剣幕が怖かったのか、少し涙目で紫陽花は答えた。

「もっと早く言おうと思ったんだけど、龍馬なかなか聞く耳持ってくれなかったからっ」

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