天神学園の問題児再来
本日、朝からヴラドの授業にあたった幸運なクラスは、シオンと花龍の生徒達。

ヴラドの授業は、意味もなく緊張感を強いられると専らの評判だ。

悪い意味でドキドキが止まらない。

「教科書を開け。前回の続き、本日もヨーロッパ史だ」

チョーク片手に黒板に向かうヴラド。

「ワラキア公ヴラド3世、通称ドラキュラ公または串刺し公は、15世紀のワラキア公国の君主。諸侯の権力が強かったワラキアにあって中央集権化を推し進め、オスマン帝国と対立した。ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』に登場する吸血鬼・ドラキュラ伯爵のモデルの1人として知られる。現在は、故国を侵略から守る為に戦った英雄として再評価されている」

静まり返った教室に、ヴラドの走らせるチョークの音だけが響く。

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