天神学園の問題児再来
砂浜に腰を下ろし、しばし思案する2人。

泳いで戻れないとなると、2人は帰れないという事になる。

ちょっとした遭難だ。

「何…夜まで戻れなければ、龍馬やシオンが探しに来る。奴らは、俺達がこの島にいる事は知っているのだ。不便だが少しの辛抱だ」

紫陽花を不安にさせないように言う真太郎だが。

「ぐすっ、えぐっ…」

何と紫陽花は、隣で膝を抱えて泣いていた。

「な、何だ、何を泣いている…まさか本気で帰れないと思っているのか。心配するな、たかだかこんな距離、いざとなれば俺が泳いで渡れば造作もなく…」

「ごめんねぇ…私、迷惑かけてばっかりだねぇ…」

紫陽花はえぐえぐ言いながら涙を両手で拭う。

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