天神学園の問題児再来
「おい、紗雪」

龍鷺郎の声色が変わる。

「態度がでかいな」

「な、何じゃ」

龍鷺郎を怒らせたか。

少しビクリとしつつも、そこは死神と雪女の血を引く良血統の紗雪、龍鷺郎にも張り合える自信がある。

「態度が大きいのはお前じゃろう。改めるならばお前が改めてからじゃ」

「……」

ハンドポケットのままだった龍鷺郎の右手が、出される。

「やるのか?」

紗雪もまた、右の掌から氷柱を発生させる。

その氷柱は長く長く伸び、次第に形を整え始め、やがては氷の刀として顕現した。

母・雪菜から譲り受けた氷刀『六花(りっか)』。

彼女は更に。

「衆人を巻き込んではならぬからの」

氷の結界を敷いて、教室に残る生徒達を守る。

この辺りは父・防人から教わった技か。

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