天神学園の問題児再来
「丁度良い機会じゃ!」

紗雪は鼻息も荒く龍鷺郎に向き直った。

「この体育祭の場を借りて、妾がお前の鼻っ柱をへし折ってくれるわ!龍鷺郎、お前の得意な速さ比べで勝負じゃ!」

「ほぅ」

龍鷺郎も不敵に笑う。

「男と女の体力の差もある。鴉天狗の血を引く俺と、雪女のお前の能力の差もある。それでも速さ比べで勝負するんだな?後でごねられちゃあ面倒なんでな、逃げるなら今の内だぜ」

どう考えても龍鷺郎に有利な勝負。

しかし。

「死神の父と雪女の母の名誉にかけて、お前如き破落戸に、どんな勝負でも負けはせぬわ」

紗雪は一歩も退く事なく豪語する。

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