天神学園の問題児再来
いよいよ、2人の妖怪の真剣勝負。

「位置について」

ヴラドの言葉でスタートラインに並び立つ両者。

「用意」

その声がかかり、クラウチングスタートの姿勢をとる紗雪。

だが。

「…?」

紗雪の隣で、龍鷺郎は棒立ちのまま。

両手をポケットから出しもしない。

「何をしておる、早くせんか」

紗雪の言葉に。

「俺はこれでいい」

龍鷺郎は答えた。

「鴉天狗の血を引く者のプライドだ。雪女と同じ構えでスタートはできねぇ」

「お前…!」

紗雪のプライドにも火が点く。

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