天神学園の問題児再来
という訳で校舎内、家庭科室。

「あら?」

白い着物、アイスブルーの女性が、仲間達を引き連れてきた紗雪に目を丸くする。

今でも紗雪の姉と見紛うほどの若々しさを保つ、彼女の母親・小岩井 雪菜(こいわい ゆきな)だ。

「母上、ちと手を借りたいのです、龍鷺郎達に昼食を振る舞ってやりたいのじゃ」

「まぁ、お友達に?それはいい考えね」

ホッコリするような笑顔をフワリと浮かべ、雪菜は言う。

「なら、食べやすいようにおむすびなんてどうかしら。具は梅干し、おかか、鮭、昆布、明太子とかもいいかしらねぇ」

「うむ、名案じゃ母上、体育祭のお弁当らしくて良いと思う」

話しながらも、手際よく食材を準備していく雪菜と紗雪。

流石親子、息の合った段取りだ。

「卵焼きや唐揚げも同時に準備してはどうかの?母上。行楽弁当の定番じゃ」

「あら、わかってるわね紗雪ちゃん。将来いいお母さんになれそうね」

「は、母など…妾にはまだまだ早いのじゃ…」

「誰かいい人は見つかったのかしら?幼馴染みの龍鷺郎君なんてどうかしら?」

「あれはいかん。幾ら憧れの亜鳥殿の息子とはいえ、あのような阿呆のバンカラなぞ」

「聞こえてるぞ紗雪」

傍で聞いてる龍鷺郎ご立腹。

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