天神学園の問題児再来
無反応極まりない冬樹を、紫陽花達が寄って集って弄っていると。

「お待たせなのじゃ、先輩方」

紗雪が声をかけた。

見れば、あっという間に出来上がっている行楽弁当のような料理の数々。

これぞ体育祭のお昼ご飯の定番。

「ちょっと作り過ぎちゃったので、沢山食べて下さいね」

雪菜が微笑む。

「それじゃあ、頂きます!」

「うむ、御馳走になる」

シオンが、真太郎が、料理に手を伸ばす。

龍鷺郎も手を伸ばすが。

「待て、龍鷺郎」

紗雪がハシッ!と手を摑んだ。

「お前、『頂きます』は言ったか?母上の料理を無言で食おうとは何事じゃ」

「口煩い女だ。手を放せ」

「挨拶のできぬ奴なぞ、飯食うべからずじゃ」

睨み合う、犬猿の仲の2人。

「あらあら、仲良しねぇ、やっぱり紗雪は将来、龍鷺郎君のお嫁さんかしら」

雪菜お母さん、どう見ればそう映りますか。

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