天神学園の問題児再来
柾一刀流の修行
夕暮れ時の柾家。

葱を刻む音が台所から聞こえる。

「龍馬君、葱刻み終わったかしら?」

ヒョイと覗き込むのは、柾家の厨房を預かる母の秋桜。

「い、今刻んどるとこぜよ」

「あら、龍馬君上手ねぇ。案外器用なのかしら」

「そ、それ程でも…」

「確か天神学生寮で1人暮らしよねぇ?自炊とかもやるの?」

「ま、まぁたまには…」

「でも男の子1人だと、偏った食事になりがちでしょ?ウチにご飯食べに来るといいわ。紫陽花やお父さんも喜ぶし」

「そ、それは助かるちや…」

「あ、葱刻み終わったら、今度はこのお豆腐も賽の目に切っておいて。お味噌汁に使うから」

「了解ぜよ…ってだぁあぁぁあぁあぁぁっ!」

< 61 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop