天神学園の問題児再来
気を取り直して。

「紗雪、俺と来い。城へ戻るぞ」

不本意ながらストーリー通りの台詞を喋る龍鷺郎。

「嫌じゃ、何故妾が龍鷺郎の阿呆の言う事を聞かねばならぬのじゃ。失せろ戯け」

若干のアドリブと私情を挟みつつ、紗雪が反論する。

「何だと紗雪、この性悪雪女が」

ガチでキレたのか、一歩踏み出す龍鷺郎に。

「待て龍鷺郎」

1人頑張って演技を続けるシオンが、ランスロット片手に紗雪を庇う。

「紗雪姫に手を出させる訳にはいかない。どうしてもというのならば、俺が相手だ」

「ほぅ…?」

演技とはいえ、なかなか迫力ある不敵な笑みを浮かべる龍鷺郎。

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