天神学園の問題児再来
「おい」

龍鷺郎が一歩前に出た。

「禿鷲、調子に乗り過ぎなんじゃあないか…?」

結構本気で怒っているように見えるのは気のせいか。

「こういう役柄なんだから仕方ない…いや…ここは舞台だ、演技させてもらうとしよう」

ん、ん、と喉を鳴らして。

「お前達天神王国の王子達に、僕の可愛い紗雪を渡す訳にはいかない。さぁ紗雪、兄さんと共に国に帰ろう」

「な、何を言っておるのじゃ!妾はお前などと帰らぬぞ!」

真剣に嫌がり、禿鷲を押し退けようとする紗雪。

「聞き分けのない事を言うんじゃない。さぁ紗雪、いつもみたいに口づけをしておくれ」

禿鷲の顔が、紗雪に近付く。

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